SOLUTION STORY
MICROFIBER BUSINESS マイクロファイバービジネス
PROJECT OVERVIEW プロジェクト概要
当社では自社製品の開発も手掛け、お客様の事業拡大につながる提案を目指している。
産業資材事業が取り組むマイクロファイバービジネスは、20数年前より着実に構築してきた海外での調達ネットワークをベースに、
お客様のご要望に即した多様な商品をご提案できるのが大きな特長。文化の壁を超え、海外の協力工場と足並みを揃えながら、
まだ世の中にはないマイクロファイバー製品を生み出し続けるその価値が、業界を問わず注目されている。
PROFILE
産業資材事業
秋田 朋希Akita Tomoki
2016年入社。さまざまな産業資材の発掘だけでなくサプライチェーンの構築も手掛け、お客様の事業拡大に貢献する産業資材事業を担当。入社2年目よりマイクロファイバービジネスを手掛け、大手カーケアメーカーを中心にコーティングメーカーなど多数のお客様のご要望に応える商品を開発・販売している。コロナ禍以降、Webプロモーションなどに力を入れ、これまで以上に多彩なお客様に対し、新たなマイクロファイバー製品をご提案している。
市場の変化を的確に捉え、
まだ世の中にない商品をご提案する
マイクロファイバービジネスでは、
どのような業務まで手掛けられるのでしょうか?
お客様によって、さまざまなケースがあります。
一例を紹介しますと、市場調査、素材の調達、加工や検品、商品のパッケージデザインから物流の構築までを担当します。また、生地の縫製加工は、クロス形状だけでなく、手袋型など多種多様に対応しております。お客様のニーズに応じて、幅広く対応するのが特長ですね。
ご依頼はお客様から寄せられるケースが多いのですか?
お客様からご相談いただくケースもあれば、こちらから自発的にご提案することもあります。市場の動向を隈なくチェックし、「ここにもマイクロファイバーを活用できるのでは?」と、その業界にアプローチすることも少なくありません。例えば、美容室でシャンプーした後、髪の毛の水分を素早く吸い取るためには吸水性に優れたマイクロファイバーが最適だと考えて、ご提案したこともあります。
なるほど。一方でお客様からご相談いただく場合、
どのような課題を抱えていることが多いのですか?
共通して言えるのは、お客様独自の課題に合致した商品を生み出せるメーカーが国内には少ないということでしょうか。
当社では、先ほどお話したように市場を調査し、新たな商品を生み出す体制が整っています。そうした事情から「ゼロから独自の商品を作りたい」というニーズを抱えるお客様からのご依頼が圧倒的に多いですね。
お客様の声が課題の突破口に
試行錯誤の末に生み出す新たな価値
実際、新たな商品を開発する時はどのような過程で進行されるのですか?
まず、お客様の課題を入念に聞き取りし、その要件を満たす協力工場を選定するところからはじまります。
カーケア用品のような吸水性に優れているメーカーや、眼鏡拭きなど繊細な加工が得意なメーカーまで、幅広いネットワークの中から最適な協力工場を選びます。そして、お客様が求める商品を開発するための構想作りに取り掛かります。
その構想は、秋田さんが作り上げていくのですか?
そうですね。入社当初は、わからないことばかりだったのですが、当社にある過去の実績や書籍を参考にし、時には自家用車の洗車時に自分でも試しながら習得していきました。とはいえ、いちばん役に立ったのはお客様とのやりとりの中で学んだことが多いかもしれません。
お客様とのやりとりの中で、どのように商品を形にしていくのですか?
例えば、試作品を使用していただいた時に、何気なく「拭き心地が重く感じる」という感想を言われたとします。
そのとき、その“重さ”を改善するためには、摩擦係数を減らしたり、表面の毛足の長さを変えたり、もしくは生地自体を軽くするなど、いくつもの要素から検討していきます。そうしたトライ&エラーを繰り返していく中で、徐々にご要望に近付けていくイメージです。
お客様の言葉が製作過程には重要なのですね。その中で、もっとも大切にしていることは何でしょうか?
まずは、レスポンスの速さですね。生産する協力工場が海外にあるので、物理的な距離感や生産する方々の顔が見えないことで、「本当にオーダー通りの商品を作ってくれるだろうか」と不安を感じるお客様も多くいます。
その思いを少しでも緩和させようと、どんな些細な確認や要望にも即座に対応するようにしています。
また、商品の開発だけではなく、貿易業務から流通までを見据え、まとめてご提案できることもお客様と良い関係性が生まれる理由だと感じています。
協力工場との絆を強くし、
確かな品質を維持する体制を
やはり、海外の協力工場との連携も大切なのでしょうか?
その通りです。お客様の理想に近付け、最終的にご要望通りの商品に仕上げるためには、協力工場の方々にも私たちと同じ思いを持っていただく必要があります。
気持ちによって品質が左右されるのは良くないことですが、やはり人の手によって生み出されるものなので、コロナ禍以前は何度も現地の工場に足を運んで、現場で作業される方々との連携を強くしようと心掛けていました。
具体的には、どのような方法で連携をとるのですか?
工場ごとに異なる得意分野を正確に把握することはもちろん、実際に現場で作業される方々と闊達なコミュニケーションをとるようにしていました。
例えば、その工場で製造された商品がどのような形でエンドユーザー様の手元に届けられているのか。
実際の店舗に陳列されている様子を収めた動画を見ていただくことで、少しでもみなさんの力が社会に活かされていることを実感してもらおうという思いです。それによって、現場の士気が高まり、品質向上にもつながります。
そうした取り組みを行う中で、もっとも手応えを感じた案件はありますか?
いちばん印象に残っているのが、カーケアメーカー様からご依頼いただいた案件です。
同時にそれぞれ用途が違う複数の新商品をリリースするという従来にはない内容で、「納期までに間に合うだろうか」「しっかりと品質を担保した商品になるだろうか」という思いの中でプロジェクトを進めていきました。その不安な思いを救ってくださったのが、現場の方々でした。
この大規模なプロジェクトに対する私の思いを率直にお伝えしたところ、「秋田さんのためなら、どんな無理なお願いでも聞くよ」と力強い言葉をかけていただきました。その支えもあり、プロジェクトの途中に発生したトラブルにも柔軟に対応していただき、無事にお客様のご要望を叶える品質の商品をリリースすることができました。
今もこの経験から、現場の方々との心の距離をできる限り近くし、同じ思いでものづくりに臨んでいくことの大切さを意識しています。
今後は、このビジネスをどのように展開したいですか?
私がマイクロファイバービジネスに携わるようになってから、WebやYouTube動画を使ったプロモーションなどを活用することで、思いも寄らなかったお客様との出会いが広がりました。そのきっかけをしっかりと成果につなげ、これまで以上にお客様のビジネスの拡大に貢献したい。
そうした実績を重ねることで「マイクロファイバーといえば、椿本興業」と呼ばれるようにがんばっていきたいですね。