資源循環型工場の実現に向けて
地域由来の燃料を用いたクリーンかつ省エネルギーを実現するボイラシステム
日本のエネルギー自給率は1割程度しかなく、エネルギー燃料のほとんどは海外からの輸入に頼っています。
海外情勢や為替によって大きな影響を受けるエネルギーは生産コストに直結します。
ツバコーの万能/回転型ボイラシステムは、地域由来の燃料を用いて効率的かつ安価に蒸気を作り出す画期的なクリーンシステムです。
熱エネルギーのクリーン利用について
電気エネルギーにおいては、化石燃料から太陽光発電・風力発電などの再生エネルギーへ転換が進んでいますが、熱エネルギー分野におけるグリーンエネルギー(バイオマスエネルギー・RPF(廃棄物原燃料))の活用は大規模プラントなどに限定されており、十分に活用が進んでおりません。
エネルギーロスを抑えた小・中規模ボイラで地元のグリーンエネルギーを有効活用
地元で調達できる木質バイオマスや廃プラスチック(RPF)を活用することにより、エネルギーロスを抑えたクリーンな蒸気を作り出すことが可能です。
燃焼炉について
本ボイラシステムには使用する燃料や運用方法に応じて万能型・回転型の二つの燃焼炉をラインアップしております。
万能型燃焼炉
幅広いクリーン燃料に対応
万能型燃焼炉は、木質チップ、RPFなど様々な燃料を燃焼可能な小・中規模のボイラシステムです。
火格子コンベヤ状に燃料を投入し、移動しながら燃焼分解します。燃焼エアはコンベヤを冷却しながら、予熱された状態で供給されるため、燃焼効率向上につながっています。
また、上部側面から二次燃焼エアを供給する事により、高い分解効率の維持を実現しています。
燃焼フロー
回転型燃焼炉
独自技術で高効率・メンテナンス頻度の低減を実現
回転型燃焼炉は、RPFを燃料とした小・中規模のボイラシステムです。
独自技術を駆使した風のコントロールにより竜巻を発生させ、燃焼炉の中心部だけでの燃焼が可能です。これにより燃焼炉の内壁に炎があたることなく、高い燃焼効率を上げています。よって、燃焼炉内に耐火レンガは使用しておりません。
また、高効率で完全燃焼させることで、発生するガス中の有害物質を極限まで抑制し、燃焼灰の発生量を抑えています。
燃焼フロー
適用分野について
あらゆる製造業において、蒸気や電気は欠かすことのできない重要なインフラです。その元となるエネルギーをクリーンな燃料に変えていくことで、国内製造業のクリーン化に貢献いたします。
適用分野例
・食品業界 ・製紙業界 ・化学業界 ・印刷業界
・染色業界 ・リネン業界 等
導入効果について
運用イメージ
安定かつ効率的な運用として、蒸気負荷のベースを本設備で行い、負荷変動部分を既存の汎用ボイラで追従運転することを想定しております。
【事例:前提条件】
- 最大蒸気負荷量:13,000kg/h
- 最低蒸気負荷量: 6,000kg/h
- 平均蒸気負荷量: 9,000kg/h
- ベースロードとして稼働する万能/回転型ボイラシステム:MAX4,700kg/h
- 使用燃料:既存汎用ボイラ/都市ガス、万能/回転型ボイラシステム/RPF
導入効果1:燃料コストの削減
従来の都市ガス・重油炊きボイラに比べ、燃料費用を大幅に削減が可能です。
【計算条件】
- 平均蒸気負荷量:9ton/h
- 稼働時間:24h/日、330日/年
- 燃料価格
都市ガス:100円/m3⇒91円/10,000kcal
RPF:8円/kg⇒13円/10,000kcal
- 万能/回転型ボイラシステム
蒸気発生量:4ton/h
使用燃料:RPF
※ベースロードとして一定負荷運転
- 既存汎用ボイラ
蒸気発生量:1~5ton/h
使用燃料:都市ガス
※工場負荷に追従して変動運転
導入効果2:CO2排出量削減
木質バイオマス燃料はカーボンニュートラルとなります。
廃棄物原燃料であるRPF由来のCO2は、「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」において調整後排出量算定時に控除されるため、大幅なCO2排出量の削減が可能となります。
導入効果3:非化石エネルギーへの転換の促進
省エネ法改正により、工場などで使用するエネルギーについて、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換が求められます。
また、一定規模以上の事業者に対しては、非化石エネルギーへの転換に関する中長期的な計画の作成も求められます。
万能/回転型ボイラシステムは、このような非化石エネルギーへの転換に大きく貢献します。
その他効果
- 製品生産時に出される廃プラスチックをRPFにすることで、廃棄物排出量の削減にもつながります。